境界線上のホライゾン 13話(1期最終話) 『境界線上の整列者達』

『境界線上のホライゾン』もいよいよ1期最終話、Cパートには2期からの登場人物達も先行して登場しましたし、今から夏に向けて非常に期待出来ますね。
1期だけで考えれば"トーリ達の戦いはこれからだ！"ENDのようですけどw

「いつかきっと、全ての感情を従えて、俺と一緒に笑ってくれ、ホライゾン」
本来の持ち主であるホライゾンの元に取り戻した大罪武装"悲嘆の怠惰"、しかしその砲撃も敵艦の主砲に対しては通常駆動では押され気味で、押し返す為には超過駆動を起動する必要があるけれども、それには"魂の起動"、つまりホライゾンが悲しみの感情を得る事が条件でした。
このままでは負ける、消えてしまうという時に回想されたのは実父である松平・元信が自分に手を振ってくれた事、しかし父は三河と共に消失した事。そしてこれまでの武蔵での日々も失われるかも知れないという事に思い至った時に、トーリから安心しろという支えとなる言葉を得て、初めてホライゾンは悲しいという感情を理解したのですね。

"悲嘆の怠惰"と悲しみの感情を得た事が、ホライゾンの全ての感情を取り戻すまでの長い道のりの第一歩。トーリは契約の代償でもう自分は泣く事が出来ない代わりに、ホライゾンには泣いて、叫んで、最後には一緒に笑って欲しいと願って、その第一歩を踏み出すという事でしょうね。
まあトーリとしてはここで"淫蕩の御身"も持って帰って淫乱になって貰いたかったようですけどw 「ごめんな淫乱に出来なくて」って真剣な調子で言ってるしw

実はEDの歌詞も"バラバラに散らばった幾つものピース"＝ホライゾンの感情を一つづつ取り戻していくという意味で、本編の内容にピッタリ合っているんですよね。こういう所でも本当に良く理解して作られていると実感出来ますよ。




Cパートが2期の先行PVのようになっていましたね。これは武蔵が英国に向かう途中で三征西班牙(トレスエスパニア)の襲撃を受けたという場面で、早くも三征西班牙の主要キャラが勢揃いでした。
エスパニアつまりスペインは歴史再現において英国と争っている最中で、そこに武蔵が関わる事になるというのが2期の主な展開になります。1期ではあまり出番がなかったキャラも2期では主役級の活躍をしたり。某忍者とか。
襲撃と言ってもどういう訳か出てきたのは陸上部と野球部なんですがねw そもそも何故スペインなのに野球部なのかというのが大きなツッコミ所でもありそうですけどw
あと副会長は目立ってましたが、総長兼生徒会長も一応は映っていました。仮にも一国のトップが何やってるんですかとw しかしそれでも総長ですからね、色々と期待は出来るだろうと思います。
一方の武蔵の総長は他の皆が出撃する中で何か裸でしたけどw こちらは何をやらかすのかw



酒井学長とオリオトライ先生の前に現れた"二境紋"、これは正純の母や榊原・康政が消えた"公主隠し"の際に現れるものですが、これはまた誰かが巻き込まれて消えたという事なのでしょうかね？ 残されたメッセージ"please kill me all"というのも何を表しているのか…
"公主隠し"は原作でも最新刊でまた新たな謎が増えたばかりで、恐らくは終盤になって明かされる物語の核心となる謎の一つだと考えられます。他にも、大罪武装を集める事が末世の解決とどう関係があるのか？ とか、松平・元信は何を目的としていたのか？ といった謎があり、それらが明かされる時に物語のクライマックスを迎えるのでしょうね。まだまだ先は長そうです。

P.A.ODA織田勢の顔見せもありました。一際デカい鬼が副長の柴田・勝家で、現時点では最強クラスの実力者ですね。"五大頂"と言いながら6人いるのはNo.4に相当する者が2人いるからです。この中の1人は原作でもまだ未登場でしたが、アニメで先行して登場した事になりますね。
猿の面を被ったようなのが羽柴・藤吉郎で、いずれ歴史再現で本能寺の変が起こると織田の後を継いだ羽柴(豊臣)の天下統一が進められる事になると考えられます。なので、松平の姫ホライゾンのいる武蔵にとっては最大の敵となる訳で…
そもそもホライゾンが松平家を継承した時点で松平(徳川)家としての歴史再現を行っていくという必要性が生じたんですよね。だからトーリの世界征服宣言とは別に、関が原や大阪の陣に至る天下統一への道程を進めていく事になる訳ですが、それはあくまで極東側の歴史であり、世界各国側とはまた事情が異なるというのがややこしい問題なのですけど…
まあこれらの織田勢の登場や松平の歴史再現は原作Ⅲ巻以降なので、アニメ2期は主に英国とスペインの方の歴史再現となるでしょうから2期の時点ではあまり気にしなくて良いかも知れませんが、やはり3期もアニメで見てみたいですよ。9話に出てきた犬耳の人達の活躍もアニメで見たいですね。




最後に総評を簡単に。この作品は設定が細部まで非常に凝っていて分かり難く、これをアニメでやるのは無理なのではいかと思われましたが、予想以上に原作の再現度も高く、映像面でも細かい設定を見事に表されていて、原作読者としてもとても満足出来るアニメとなりました。これ程のものを作ってくださったスタッフの方々に感謝したいですね。
訳が分からなくて付いていけなかった人も多いと思いますが、見るのを辞めてしまった人も分からないままでも良いから9話以降は是非見てみて欲しいですね。難しい設定を取り払ってしまえば、"多くの仲間の助けを得ながら囚われの姫を救いに行く"という、ある意味王道的なストーリーとも言えますので。

2期は原作Ⅱ巻の総ページ数が上下合わせて2000ページにもなるので、1クールでは到底足りそうにないのですけど、2クールやってくれるでしょうか？ 2クールあれば1期では少なかった外道会話等の日常の描写を入れても充分尺が足りるでしょうね。そのまま3期以降も続いてくれるのが理想ですけど流石に難しそうでしょうから、1期並のクオリティを続けてくれれば文句無しですね。
2期は来年夏の予定ですが、それまで楽しみに待ちたいと思います。



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