魔法少女まどか☆マギカ 総評

1ヶ月の中断期間を経て、ついに『まどか☆マギカ』が最終話を迎えました。
私はこれまで『まどか☆マギカ』では各回ごとの感想記事は書いていなかったのですが、今年一番の話題作であろう作品に対して何も書かないのも惜しいので、最終話を迎えての総評という形で記事にしておきたいと思います。
取りあえず現時点で書ける事だけですが、もし他に書きたい事がまとまったら追記または別の記事を書くかも知れません。

この作品の結末に関して、私の予想では、"まどかは最後に「魔女も魔法少女も皆元の人間に戻して欲しい」という願いで契約し、他の魔法少女達は平和な日常に戻るけれども、代償としてまどかの存在は消えてしまう"と考えていました。
結果を見てみると、"過去も未来も含めて、全ての魔女を生まれる前に消し去る"というものでした。魔法少女は限界を迎えても魔女にはならず、ただ消えていく事になりました。そして、まどかの存在が消えるという予想だけ当たった形になったのですが、やはり都合の良いハッピーエンドでは終わらないものですね…



「希望を信じた魔法少女を、私は泣かせたくない。最後まで笑顔でいて欲しい」
魔女にはならなくなったものの、魔法少女になったら消滅するまで戦い続けるという点においては変わっていませんが、これは恐らく、命と引き換えになるような契約をしてでも叶えたかった願いを無駄にはしたくなかったからなのでしょう。
例えばマミさんは契約していなければ事故で死んでいた可能性が高いし、さやかは上條の腕を治して演奏を多くの人に聴かせたかった。そして、ほむらの"まどかとの出逢いをやり直したい"という願いがあって、ほむらが何度も時を繰り返したからこそ、結果的にまどかに因果を変えてしまう程の力が生まれた訳ですからね。
命にも代えられる程の奇跡を願った代償であるから、契約したら消滅するまで戦い続けるという運命は変わらないのでしょう。しかしそれでも、希望が絶望に変わる事無く、最後の時まで願った希望を信じたまま戦えるというのは、かなり大きな変化だと思います。



まどかを魔法少女にさせないというほむらの目的自体は達せられませんでしたが、しかしまどかはほむらの想いを汲み取って、ほむらがこれまで繰り返してきた事を決して無駄にはしない形で願いを叶えた訳ですね。ほむらが時を繰り返した事がまどかの力の成長に繋がったという意味では、無駄どころか寧ろまどかの願いを叶えた功労者と言えるかも知れません。
そして、リボンと弓がまどかの想いを受け継ぐ証として表されていたのも良かったです。まどかの存在は消えてしまっても、ほむらだけはまどかが傍にいる事を感じられ、いつか戦いを終える時にはまどかが迎えてくれる。そう信じられる事で、ほむらはこれからも戦い続けられるのでしょう。
ほむらの最初の願い「まどかとの出逢いをやり直し、彼女を守れるようになりたい」という想いは、まどかの願いを守る、というものに変わっているのかも知れませんね。



一方、さやかの運命は改変によってもどうにもならなかった、という事なのでしょう。さやかはただ上條の為だけに願い、自分が上條と結ばれたいと願ったのではなかった訳で。その結果、さやかの恋心は実る事は無く、その想いに悩み苦しんだ気持ちを否定しない為には、自分の気持ちに納得した上で終わらせるという他に無かったのでしょうね。
しかしさやかはまどかとは8話での喧嘩別れで終わる事無く仲直り出来て、後の杏子の台詞によれば杏子とも友達になれて、少なくともこれまでのループと比較したら、かなり良い結末を迎えられたのではないでしょうか？
魔法少女が力尽き、マミさんが言うには「円環の理に導かれる」時には、有り得る可能性の中では最良の結末であるように、それもまどかの力によるものなのではないかなと思います。



それにしても杏子のさやかへの想いは改変されても全くブレませんねw 例え少しの間でもさやかと友達になれたのは良かったですね。杏子のお迎えにはまどかだけでなくさやかもいると良いと思います。
マミさんは"円環の理"って、やっぱりそういうの好きなんですねw
今後はマミさんと杏子、ほむらの3人で当面は魔法少女として戦っていくのでしょう。10話までではマミさん・さやか・杏子で"退場組"などと言われてましたけど、今後はまどかとさやかが退場組というか消滅組？ で他3人が現世組という分け方になるかも知れませんね。


さて、『まどか☆マギカ』も終了となりました。3話のマミさんモグモグから始まり、中盤のさやか編はまさに坂道を転げ落ちるような展開で最後はどうなるのかと期待と不安が入り混じった気持ちにさせられた作品でしたが、個人的にはかなり良くまとめられた結末で、好感を持てました。従来の魔法少女ものの作品の概念に一石を投じるものであった事は間違い無いと思います。
こうなるとDVDや関連グッズの売り上げも気になる所ですね。私はDVDは全巻は厳しいですが、少なくとも9・10話収録の5巻と最終巻は欲しいですね。


最後に、2chアニキャラ個別板のマミさんスレからの抜粋で締めたいと思います。他の魔法少女達にもどこかに記憶が残ってたら良いなと…

662 名無しさん＠お腹いっぱい。 sage New! 2011/04/22(金) 04:50:34.61 ID:K8JV2j86O
マミ｢あなたは？｣

ほむら｢私は暁美ほむら。｣
マミ｢暁美さん、ね。｣

ほむら｢ほむら、でいいわ。私の一番大切な人が、そう呼んでくれたから。｣

マミ｢…ほむらさん、ね。綺麗で、それでいて芯の強そうないい名前ね。｣

ほむら｢…！…ありがとう。｣

マミ｢泣いてるの？｣

ほむら｢…なんでもないわ。巴マミ。私もあなたと一緒に戦うわ。あなたはもう、独りじゃないから。大丈夫。｣

マミ｢…あなたも魔法少女なのね。｣

ほむら｢ええ。…あなたも泣いてるじゃない。｣

マミ｢何故かしら。遠いどこかで。同じ事を言われた気がしたの。その、リボンを見ていたら、思いだしちゃったわ。ありがとう。とても、嬉しい。｣

ほむら(…まどか。大丈夫、あなたの為した事は、無駄じゃあないわ。)


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