Angel Beats! 12話 『Knockin' on heaven's door』

Angel Beats第12話。ゆりの物語についてはこれで一応の決着はついたのでしょうか。
…やはりこの作品は13話では足りなかったと思います。描写不足な点が多くて、想像で補完するにも無理がある…

戦うべき敵が無くなり、音無と奏がこの世界に留まり続けようとする者達を"卒業"させようとする中で、ゆりはどのような答えを見出すのか？ という点に私は期待しておりました。
しかし蓋を開けてみると、かつて失った妹達と同じ位にSSSの仲間達を大切に思っていた、愛していた事に気付かされた、という事で…
理不尽な運命に抗おうとしてきた中で至った、音無達の思想にも対抗しうるような信念を提示して欲しかったのですが、どうもそれは期待外れに終わってしまったようです。
ゆりがこの世界で抱き続けてきた心情については、夢の中での独白に表れているのでしょう。しかしそれは肯定されるべきでは無いかのような描写のされ方だったように感じられました。間違いだったとも言い難いとは思うのですが、それよりもその後で仲間達への愛に気付いた事が重要であるかのようだったので、ならばずっと抱いてきた想いは間違っていたのかと。

結局の所、この世界が報われない者達の為にあるという事を踏まえてみると、卒業させようという音無達が正しくて抵抗しようというゆりやSSSが間違っている事になるかも知れませんが、どうにも釈然としないものがありますね…


前回の記事で"影"を生み出した犯人やこの世界の黒幕について色々考えてみましたが、そもそもそんな黒幕は存在自体無かったようで。正確にはかつて"Angel Player"を構築した者が犯人と言えるでしょうが、既に自らNPCとなってしまったようなので、最早存在しないのと同じでしょう。
その者はこの世界が愛に溢れた世界になると永遠の楽園になってしまうとして、NPC化させてリセットするとの事。そのプログラムが今回発動したのもゆりの仲間達への愛が要因となったようなのですが、しかしゆりがSSSの仲間達を大切に思っているような描写も不足していて、説得力に欠けるのですよね…
この世界に来るべきでない"報われた魂"が記憶を失ってこの世界に紛れ込んだという話があったので、それは音無の事を指しているのかとも思いましたけど、おそらくはかつて同様に記憶を失った者がいたという事でしょうか。


今回、ガルデモのメンバー達は"卒業"していきました。今まで残っていた、ひさ子・入江・関根の3人はバンド演奏以外ではほとんど出番も無く、彼女達の存在意義は何だったのかと疑問に感じます。CDを売る為だけの存在というのは穿ち過ぎかも知れませんが。
前線メンバーも出番は多いとは言えず、ほぼコメディ担当ばかりでしたが、それでも彼らは一人一人のキャラは確立されたように思います。その一方でガルデモはどんなキャラだったのかもよく分からず終いで… ガルデモは陽動部隊の役割を担っていた訳でしたが、陽動なら作戦に参加しない前線メンバーが兼ねても良かったように思えてしまいます。まあそれではただでさえ少ない女子の割合が更に減ってしまいますけれども。
チャーも2話に一度だけ登場して以来全く登場せず、最後消える為だけに出てきたようなものでした。
やはりもっと話数があれば、もっと一人一人のキャラを掘り下げられたのではないでしょうかね？


そして、この世界が結局どういう世界なのかという事も、奏の過去や心情についても掘り下げられていないまま最終回を迎える事になってしまいました。Angel Playerの構築者もこの世界の創造主では無さそうなのでこの世界はどうして生み出されたのかも分からないし、奏は何故これまで生徒会長としてSSSと戦ってきたのかも語られていないのですが、これらが最終回で判明するのはもう望みは薄いですかね…
取りあえず、登場人物それぞれがどのような結末を迎えるのかという事には注目したいと思います。


SSS前線メンバー揃っての影との戦いに挑む場面は良かったです。コメディ要因になっていた彼等も本気をだすとカッコ良いですねw
松下五段は前回いなかったので黒幕かと思っていたら、まさかの激痩せw
「何が起きたって言うんだ！？」「ていうかお前に何が起きたんだよ」に吹いたw

あと、ゆりに狂ったような顔芸させたのは何だったのかと…


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